冬日の一日、琵琶湖湖西→湖北→湖東とめぐった。
余呉(よご)の田に農夫の姿はなく、集落への道のりや駅のホームにも人影は
ない。それでも太陽は山野を照らし、諸々にあすへの身支度を整えさせる。人々
はそれぞれの家内に集い温め合い、体内バッテリーに充電中なのだろう。もう間
もなくだ。野辺に春への号砲が鳴り渡るのは・・・。
すると草木は一斉に先を競って芽吹き、人々が長い歴史を貫いて継続して来た
最も正直な「大地舞台」の上での営みが、再び未来に向けて開始されるのだ。
【滋賀県余呉町付近にて】
=写真・文:木村長世=
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